アートペッパー。
ユニークな名前ですよね。
アートペッパーのアドリブは即興でありながら旋律的でメロディアス。
感情豊かな聞いていてジャズらしい勢いと抒情が同居する素晴らしい演奏が特徴です。
今回はstudioclock的な名盤をご紹介します。
アートペッパー 名盤 Meets the rhythm section
このアルバムはアート・ペッパーの最高傑作の一つであり、即興演奏の魅力が詰まった名盤です。
名門マイルス・デイヴィスのリズム・セクション(レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズ)との共演により、ペッパーの即興性と表現力が際立っています。
スタンダードナンバーの「You’d Be So Nice to Come Home To」や「Imagination」などの楽曲では、緊張感とスウィング感が絶妙に融合しています。
実はこれらの曲は何の打ち合わせもなく、録音当日の即席のセッションなのですが、素晴らしい完成度を持っています。
クラシックでは音を間違えないように、楽譜を何度も何度も練習して完成にもって行くのですが、ジャズでは、このように当日ふらっと会場に来て今まで会ったことのミュージシャンと曲を合わせるのは通常のことです。
それを自由にできるのがジャズであり、一流のミュージシャンの証でもあります。
また、共演しているリズムセクションはジャズトランペットの帝王 マイルスデイビスの黄金のリズムセクションで、このことにより力強さやブルース感をより際立させています。
そうしたことで、本作は即興ジャズの醍醐味とペッパーの才能を体感できる名盤と言えると思います。
アートペッパー 名盤 パトリシア
アート・ペッパーの「パトリシア」は、彼のバラードのと言える名曲です。
なぜならこの曲は、彼が愛娘パトリシアに捧げたバラードであり、内面の葛藤や愛情をサックスに乗せて率直に表現しています。
こちらは名盤の中に何度も収録されているの名曲です。
演奏旅行や活動休止中には娘には会えないので今で言うところの、仕事で会えないお父さんみたいな感じで、どうしても父と娘は疎遠になりがち。(実感!)
時折見せるちょっと控えめでありながら、ドキッとするようなフレーズ。
それは父親が娘に、控えめに質問?しているような感覚で、丁寧に言葉を選びながら語りかけているような繊細な感じがよく出ています。
全体的に繊細でリリカルな音色が特徴で、聴く者の心に深く染み入ります。
即興部分も技巧に走ることなく、感情を丁寧に紡ぎ出すスタイルが印象的です。
この曲はアートペッパーの数あるアルバムの中でかなり頻繁に収録されていて、娘を思う父親の気持ちが出ているようで、切ないですね!!
このように「パトリシア」は、ペッパーの私的な思いが込められたバラードの傑作であり、その誠実な音楽表現が彼の真骨頂を物語る名演と言えるでしょう。
アートペッパー 名盤 モダンアート
アート・ペッパーの『Modern Art』は、彼の芸術的成熟を示す重要なアルバムです。
なぜなら本作で聴ける彼の演奏は、感情がこもったやさしい音色と、その場で自由に作るメロディ(即興演奏)がとても洗練されたクールな独自のスタイルです。
たとえば収録されている「Cool Bunny」や「Dianne’s Dilemma」というオリジナル曲では、より抒情的で柔らかな表現が際立っています。
繊細でありながら時折鋭い、刺さるフレーズがアートペッパーのスタイルで、ジャズらしい緊張感を与えてくれます。
ジャケットもモダンアート的な雰囲気を持っており納得させられます。
アルバム『Modern Art』は、ペッパーが「モダンジャズ=現代芸術」としての自己表現を追求した名盤であり、彼の音楽観を理解する上で欠かせない作品と言えると思います。
アートペッパー 名盤 まとめ
・「Meets the rhythm section」は名盤の一つ。録音当日 急遽セッションに臨み、ジャズらしい即興演奏が楽しめます。
・「パトリシア」は曲名でアートペッパーの娘の名前。多くのアルバムに収録されている名盤というより名曲
・「モダンアート」は名盤の一つ。文字通りジャズを一つの現代芸術として捉え 自己表現を追求したアルバムです。
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