雑誌やメディアで話題のサックス奏者 江澤茜さん。
茜さんのプロフィールやアルバム、興味深いブログを拝見しての感想をまとめましたのでご覧ください。
江澤茜のプロフィールは?
1992年 東京都生まれ、神奈川県育ち。
中学入学と同時に吹奏楽部に入部。
そこで、サックスを担当したのが、はじまりです。
部活で「A列車で行こう」を演奏する機会があり、在学中聴いたグレンミラーオーケストラの演奏に影響を受けジャズを聴きはじめます。
▪️クラシックからジャズにシフトしたのが高校2年生の時。
音大受験前にジャズへと転向しました。
すごい勇気ですね。クラシックとジャズではテンポの捉え方やサックスの吹き方もまったく違うので、すごいことです。
そのために、地元横浜で活動する「横濱音泉俱楽部」というビッグバンドに入部しました。
この「横浜音泉倶楽部」というのは調べてみると、横浜を拠点に活動する一般の市民ビッグバンドです。生涯音楽学習の一環として伝統的なビッグバンドをリスペクトしながら清新なスタイルでビッグバンドを楽しむバンドです。
受験前にこうした一般のビッグバンドに入部して、リズムの取り方やスタンダードなジャズの曲などを覚えていったに違いありません!
さすがです!
▪️昭和音楽大学に入学!
昭和音楽大学ジャズコースを優秀賞を得て卒業。
2019年には西オーストラリアで行われたジャズフェスティバルにて、リーダーバンドで参加し高い評価を受けています。
大学在学時から演奏活動を行う
現在は自己のレギュラーバンドのほかに、中牟礼貞則氏やDavid Bryant氏など多くのミュージシャンと共演
サックスを近藤和彦氏に師事
近藤和彦氏は昭和音楽大学の非常勤講師の方で、サックスの巨匠の一人、「フィルウッズ」氏に師事した方です。
そんな巨匠を先生にできるなんて、なんと素晴らしいことです。
2021年1stアルバム「Thaw」をリリース!
このアルバムはデビューアルバムで、タイトルの「Thaw(ソー)」は「雪解け」という意味。
長い冬の雪が解けるように、待ちに待ったアルバムです。
全8曲のうち7曲が彼女の作曲。1曲はスタンダードでおなじみ「Night &Day」という有名な曲でエンディングにふさわしいかもしれません。
聞かせていただいた感じでは、ジャズの王道という印象の曲が多いと思います。
曲によってはサンバ調やバラードもあり、多彩な曲を聞くことができます。
サックスの音としては、サックスの巨匠 「チャーリーパーカー」を彷彿とする音でフレーズもリスペクトしている印象を受けます。
アルトサックスなのですが中音域が太く、テナーのような音もします。
23年の大阪シンフォニーホールでのコンサートでは、「Chrlie Parker Tribute」というお題目で開催されており、納得がいきます。
メンバーは茜さんと同世代で都内を中心に活躍しているメンバー
北島佳乃子(ピアノ)、伊藤勇二(ベース)、木村紘(ドラムス)のトリオ
この信頼の置けるトリオと江澤茜さんでの演奏です。
ライブでも、このメンバーで演奏しています。
吉祥寺sometimeでの映像が残っていました。
茜さんを囲んで円陣のようなフォーメーションは、まるでミュージカルの1場面のような美しくもパッションのある物語を私たちに語ってくれている感じがしました!
吉祥寺sometimeはジャズファンならみんな知ってるぐらい有名な老舗ジャズライブバーです。
大きくは無いのですが、それがアーティストとの距離も手が届きそうなくらい近く、臨場感があります。
ここでは数多くの有名ミュージシャンが演奏しています。
気負いなく入れる感じがとてもいい感じです。
演奏がない時はいい感じのジャズバーで、美味しいお酒と特製カレーも秀逸です。
大変余談ですが、片隅で若い頃、スタジオクロックも一度だけ演奏したことがあります。
江澤茜のブログを拝見しての感想
江澤茜のブログを拝見しました。
では、23年の大阪 ザ・シンフォニーホールでのエピソードに興味深い記載があったので、引用させていただきます。
Charlie Parkerのトリビュート
勿論パーカーは私たちが深く尊敬する偉大な音楽家ではあるけれども、果たして私にができるのか?
パーカーの音楽を再度研究するために先輩ミュージシャンからCONNというパーカーの使用していたメーカーの楽器をお借りし、彼が使っていたロンドンセルマー、トナリンというマウスピースもお借りしました。
最初はあくまで研究のために彼の演奏を再度聞き直し練習を重ねていました。
とあります。結局どこか間違っていると薄々感じ、練習していく中で、NYでAntonio Hartというサックス奏者に会い、素敵なアドバイスをもらいました。
Who are You?
あなたが誰であるかを大切にしなさい。あなたが何に感動し、涙するのか?
あなたがあなたであることに自信を持ちなさい。答えは全てすでに自分自身にある。
深い言葉ですね。自分にも響いています。
また、2025年のNY体験記も拝見しました。
NYは2年ぶりで約3週間滞在して毎日ジャズクラブを回ったそうです。
レコードで聞いていた念願の84歳のベテランサックス奏者の演奏や教会でのゴスペル体験など日頃日本ではなかなか体験のエピソードが書かれていました。
そして夕暮れにふと公園での練習風景の記述がありました。
アルトサックスの友達と公園で練習していたら、通りすがりの70代の黒人男性が近づいてきて、彼もアルトを吹くのだというので、持ってきてもらって3人で演奏した。
目をぎょろっとさせて静かに喋る方で、DizzyとMonkを観に行ったことがあると言っていた。音楽はテクニックを見せびらかしたり、自分がクールだということを人に分からせるものではなく、心だよ、ブルースだよ。という事をたくさん話してくださった。
これがNY! It’s magic!
茜さんは、音楽に対し哲学的なアプローチをされていて、まさに「Jazz」ですね。
常に自分に問いかけています。
音楽とは何か、自分とは何か、そしてジャズとは何か。
NYは不思議と自分との対話が進む街と思います。
スタジオクロックもNYに楽器を持ってではありませんが、しばらくいたことがあります。
やはりクラブを梯子して素晴らしいアーティストの演奏を聴き、とても良い体験ができました。
一方でNYはとてつもなく大きいところで、いい意味での孤独感を味わいます。
これは日本人だからだけではない感じで自分がちょっと小さく見えることです。
そのことが自分の糧になり、バネになり明日の自分を育ててくれるような感じがします。
きっとレベルは違えど同様の感情になれたような気がしました。
まとめ
・江澤茜さんは、1992年東京生まれ、神奈川県育ち。
・中学校入学と同時に吹奏楽部に入部しサックスを始めます。
・昭和音楽大学に入学。
・1stアルバム「Thaw」を2021年11月にCDでリリースし、2022年5月にLPでリリース。
・現在都内・神奈川を中心に自己のレギュラーバンドでのライブ活動のほか、他のカルテットやビッグバンド等にも参加し、精力的に演奏活動を行なっています。
これからも目が離せません!
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