昨今、財務省や税金のことがネットでとても話題になっていますね！
1987年に公開された、映画「マルサの女」は国税局査察部（マルサ）の活躍を描いた作品で「税を逃れたい事業家」と捜査官との戦いが描かれています。
そのテーマ曲を作曲したのが、サックス奏者の本多俊之氏。
今でも頻繁にお金を扱ったドラマやシーンにそのテーマ曲が使われ、映画を知らない人でも聞いたことのある曲です。
そのテーマ曲の生まれたエピソードや本多氏のプロフィールなどもまとめていますので、ご覧ください。
本多俊之「マルサの女」テーマ曲の拍子は？
本多俊之「マルサの女」テーマ曲とその拍子の秘密
映画『マルサの女』のテーマ曲が印象的なのは、実は5拍子という変則的なリズムを使って、作品の緊張感や不安定さを巧みに表現しているからです。
一般的なポップスやロック音楽の多くは、4拍子のような安定した拍子で構成されています。
しかし、本多俊之氏が作曲した『マルサの女』のテーマ曲は5拍子で、聞き手に独特の揺らぎや緊張感を与えます。
この変拍子が、バブル期の浮かれた空気や裏社会の不安定さを見事に映し出しているのです。
たとえば、トム・クルーズ主演の映画『ミッション・インポッシブル』のテーマ曲も5拍子で作られており、スリリングで不安定な感覚を演出しています。
同様に『マルサの女』のテーマ曲も、視聴者に「何か起こりそう」という期待と緊張を与えます。
実際、監督の伊丹十三氏もこの曲を非常に気に入り、テレビスポット用に依頼されたものをメインテーマとして採用しました。
さらにこの音楽は第11回日本アカデミー賞で最優秀音楽賞を受賞しています。
つまり、『マルサの女』のテーマ曲は、5拍子という変拍子を活用することで、映像と完全にマッチした雰囲気を作り出し、作品の世界観を強く印象づけているのです。
本多俊之「マルサの女」サックス
ジャズサックス奏者・本多俊之。
その名は、映画音楽、舞台、ジャズの世界において、常に豊かな音楽性と鋭敏な感性を持ち続けてきた奏者として広く知られています。
大学在学中にリーダーアルバムを発表し、早くからその才能を開花させた彼が、現在も愛用するサックスは、意外にも海外製の主流モデルではありません。
彼が手にするのは、日本の管楽器メーカー〈YANAGISAWA（ヤナギサワ）〉製のアルトサックスです。
ヤナギサワ――その名は、かつて国内では「中堅ブランド」と見なされる時代もあり、特に当時の学生層においては「YAMAHA」が基本モデルとして選ばれることも多く、「SELMER（セルマー）」がプロ仕様という印象が強い時代がありました。
だがその評価は、どんどん変化していきました。
創業は明治29年（1896年）。
ヤナギサワは日本におけるサクソフォン製造の黎明期から、管楽器製作における技術を磨き続けてきた老舗です。
製造の全工程において高い精度と丁寧な仕上げがなされており、現在では国内外のプロ奏者からも支持を集めています。
日本独特のハンドメイド品としての品格があります。
とりわけ注目したいのは、本多氏の楽器が特注仕様であることです。
サクソフォンのベルには、通常は花などの彫刻が施されますが、彼の楽器には、恐竜を愛する彼の個性を映した恐竜のモチーフが刻まれているといいます。
音色だけでなく、楽器そのものに自己表現を見出す姿勢が、深い芸術観と共鳴しますね！本多俊之 マルサの女 wiki
本多氏は1957年4月 東京生まれ。
音楽大学ではなく、成蹊大学経済学部を卒業。
お父様がジャズ奏者、評論家の本多俊夫氏であり、小さい頃から音楽の英才教育を受けていました。
大学時代に初のリーダーアルバムをリリース
国内外を問わず多くの著名ミュージシャンと共演し、ライブ活動などを各地で開催
作曲家としても有名で、映画音楽、ドラマ音楽、CM音楽を数多く手がけています。
主な映画音楽としては、伊丹十三監督の映画を「マルサの女」以来、「ミンボーの女」や「大病人」「あげまん」などを手がけました。
ドラマ音楽では、石田ゆり子主演の「不機嫌な果実」や松田優作主演の「家族ゲーム」など印象に残るドラマの音楽を数え切れないほど多く制作しています。
その他、ニュースステーションのテーマ曲であったり、変わったところでは、「新婚さんいらっしゃい」のテーマ曲なども手がけています。
多彩な才能をお持ちですよね！！
本多俊之 マルサの女 まとめ
・「マルサの女」は、1987年バブル期に作られた「税金を逃れたい事業家」と「国税局査察部」との戦いをシニカルにコミカルに描いた映画
・本多俊之が、映画のシーンに、これ以上ないぐらいフィットしたテーマ曲を作曲。第１１回日本アカデミー最優秀音楽賞
・本多俊之氏は、サックス奏者であり、作曲者、音楽プロデューサー、編曲者でもあります。
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