「SHOGUN」石田太朗氏はどんな人? 日本伝統楽器の関わりがすごい! 第76回米国エミー賞受賞!

主演・制作、真田広之。ハリウッドが初めて戦国時代の日本を本気で描いたスペクタクルドラマ「SHOGUN 将軍」。

1980年にアメリカで実写ドラマ化されたジェームスクラベルのベストセラー小説「SHOGUN」を新たに映画化。

今年の米国エミー賞 18冠の魅力を探っていきます。

石田太朗氏はどんな人? 日本伝統音楽の関わりがすごい!

shogun のサウンドトラックを作曲したのは、

アッティカス・ロス、レオポルト・ロス、ニック・チューバは世界的に知られた音楽家の3氏です。

そこに石田多朗氏が総合音楽アレンジャーとして参加しています。

氏はアメリカ ボストン生まれ、幼少期をカリフォルニアで過ごして、日本の大阪、東京育ちです。

まさしく、海外と日本の両方を自分自身で感じ、両方の感性をお持ちの方ではないかと推察致します。

石田氏は大学は上智大学で漢文学を専攻し、23歳から東京藝術大学大学院に進学してさまざなな音楽を勉強し在学中に雅楽に出会います。

そこから雅楽作曲家としてのキャリアを築いてきました。

東京芸大学院在学中での法隆寺展や東京都庭園美術館での雅楽音楽が「坂本龍一」氏に高く評価された他、映像や空間の音楽も手掛けられており、今回のオファーとなりました。

最初は雅楽のレコーディングから

石田氏は東京のスタジオに日本の伝統音楽の演奏者たちを招き、ニック達は、ロサンゼルスからリモートでレコーディングがはじまりました。

その後徐々に規模が大きくなり雅楽だけでなく、三味線、尺八、胡弓、ほら貝などが加わり、時には天台宗のお坊さんたちに集め、聲をレコーディングをしました。

天台宗のお坊さんたちまで、お呼びして読経などをレコーディングしてたら、「念」も入りそうですよね!!

次に作曲チームのデモをもとに、日本の雅楽楽器や伝統楽器によってアレンジ

雅楽楽器とは、木管楽器は「ひちりき」、「りゅうてき」、「しょう」などの主に息でもっかんを鳴らすもの、弦楽器は琵琶や琴など。

太鼓などの打楽器で構成されます。伝統楽器とは、尺八、三味線などを言います。

その中にエレクトリックギター、ベース、キーボードなどのサウンドが融合するれば、正に東西融合ですね。

ロックで壮大な音楽の中に、きりっとした日本の伝統音が鳴り響き、東西融合した荘厳な音楽となりました。

衣装同様、雅楽や日本の伝統音楽が、日頃伝わらりにくい「日本文化が広がっていくような感じがします!

第76回,エミー賞受賞!! 史上最多の18部門

ハリウッドの制作チームが戦国時代の日本を描く「SHOGUN 将軍」が、アメリカテレビ界の”アカデミー賞”といわれる第76回エミー賞で、ドラマシリーズ部門で作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞など、主要部門を含む22部門最多25ノミネートを記録。そして史上最多の18部門を受賞

日本人の受賞は以下の通りです。

・主演男優賞(真田広之)
・主演女優賞(アンナ・サワイ)
・助演男優賞(浅野忠信/平岳大)
・編集賞(Aika Miyake)
・キャスティング賞(川村恵)
・録音賞(Takashi Akaku)
・音響編集賞(Ayako Yamauchi)
・スタントパフォーマンス賞(Hiroo Minami、Nobuyuki Obikane)
・衣装賞(Kenichi Tanaka)

第76回のエミー賞授賞式は9月15日(現地時間)ロサンゼルスで開催されました。

 

海外の反応は?

配信開始となってから、世界中で話題になっている。

第一話の視聴回数は全世界で900万回再生。とてつもない視聴数!

「2024年最高のリミテッドシリーズとして記憶されるに違いない」(Chicago Sun Times)

「陰謀、ロマンス、アクションを見事に融合させ、完璧なエンディングまで驚きを提供しつづけるリミテッド・シリーズ」(IGN)

「大作映画の全盛期を思い起こさせる」(The Guardian)

など海外から絶賛の声が止まりません。

私も拝見しましたが、画面からあるれる緊張感、躍動感、言葉と間の絶妙なバランスは、見ている者を惹きつけてやみません! 光と影、余計な音がはいっていない静寂がおりなす「わびさび」が心に突き刺さります。

見終わってから、エンディングのスクロールを見ながら 「はーー」って息をのむ自分がいました。ちょうど映画館で壮大な映画を見た後の放心状態的な満足度がすごかった!

 

「SHOGUN」の始まりとは?

原作は1975年ジェームス・クラベル氏。1980年米国で実写ドラマ化されたベストセラー小説「SHOGUN」がはじまり!

小説家・脚本家 ジェームス・クラベルによる戦国時代の日本を舞台にした歴史小説。イギリス人航海士ウイリアム・アダムス(三浦按針)を主人公に関東の大名(モデルは徳川家康)が天下を取るまでの1600年のを描いた物語である。

1980年までに600万部を超えるベストセラーとなった。西洋人の日本の歴史や文化に対する知識や関心にも大きな影響を与えた。

今回の「Shogun 将軍」は、ほぼ忠実に描かれているが、その細部がすごい!

ジェームスクラベル氏の娘も脚本に参加している。

脚本チームもすごい

脚本チームは、10億ドル近い世界興行収入を記録したヒット映画「ジャングルブック」の脚本家であり、最近では、パリオリンピックでも出演したトム・クルーズ主演の「トップガン・マーベリック」の原案を書いた「ジャスティン・マーク」氏

そしてマーク氏の妻であり、脚本家・エグゼクティブプロデューサー テレビ番組クリエイターである「レイチェル・コンドウ」氏が共同クリエイターとして総指揮をされています。

そのほか、主演の真田広之氏や日本とヨーロッパを双方できる方々で構成されており、錚々たるメンバーです!

脚本づくりのその手順がすごい!

まずは脚本家チームで原本(英語)が上がってきたら、翻訳者に渡し劇作家に渡してセリフになって返ってきたら(日本語)それをまた英語に翻訳してジャスティンに送り返してというのを何往復も繰り返して1話1話作っていきました。

英語のニュアンスと日本語のニュアンスそして時代的な言葉のニュアンスを何度もくりかえして、西洋化しすぎず、現代っぽい言葉をさけ、かといって時代背景にあわないものは排除。

”原作を尊重しながらも日本人が「これっておかしいよね」って思わないような感じにした。”と真田氏は語っています。

途方もない時間と手間で、とても丁寧に作られている印象を受けました!

それだけに言葉の重み、深さ、そして、間の緊張感が画面いっぱいに広がり、私たちをぐいぐいドラマへと引っ張り込んでいくのだと感じました。

衣装制作ディテールがものすごい! 制作された衣装は2300着!

衣装制作を率いたのは、フランス出身のコスチュームデザイナー、カルロス・ロサリオ氏。ハリウッドで数々の作品に携わってきた。

今回の戦国時代を衣装としてデザインするには、まず「登場人物たちをグループ分け」したそう。

網代の農民ならば、私がイメージした日本美学のエッセンスは藍色。当時、最も広く行き渡っていた染料ですから。大阪と江戸では色彩が全く異なり、柄も大胆になっていきます。お城に入ればまた別の色彩となり、領主は富をひけらかしたいと思うはずです。

無駄になる生地はほとんどなく、それ自体が芸術であるので、全てが使用されるのです。余った生地は襟まで織り込まれていきます。

キャラクターにあわせデザインをされています。例えば向里裕香演じる遊女の「菊」の衣装については、自由を象徴する鳥をイメージ。

最後に

改めて、映画は音楽も含めて、総合芸術なんだなということをひしひしと感じました!!

そして細部にわたるこだわりが、全体の質を高めていると感ぜざるをえません。

イギリス人航海士の乗る船も 新しく造船したそうですし、細川ガラシャがモデルになっている戸田鞠子の手紙は、わざわざ細川ガラシャの筆跡まで研究されて書かれているそうです。

ものすごいこだわりですね!!

今回はシーズン1ですが、制作会社ではすでにシーズン2、シーズン3が制作されていると聞きます!

楽しみですね!!

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