本多俊之が「マルサの女」のサントラを作曲。拍子は?

昨今、財務省や税金のことがネットでとても話題になっていますね!

1987年に公開された、映画「マルサの女」は国税局査察部(マルサ)の活躍を描いた作品で「税を逃れたい事業家」と捜査官との戦いが描かれています。

そのテーマ曲を作曲したのが、サックス奏者の本多俊之氏。

今でも頻繁にお金を扱ったドラマやシーンにそのテーマ曲が使われ、映画を知らない人でも聞いたことのある曲です。

そのテーマ曲の生まれたエピソードや本多氏のプロフィールなどもまとめていますので、ご覧ください。

本多俊之「マルサの女」テーマ曲の拍子は?

1987年といえばバブルが弾ける前の絶頂のころ。

今では考えられませんが、日本中が浮かれて、ふわふわとお金儲けに専念していた頃。

この妙に耳に残る旋律が映像にピッタシで、監督の伊丹十三氏もできたときは気に入って嬉しそうにしていたとのこと。

なんともその不安定さとふわふわしたバブルの感じがこのメロディにうまく表現されています。

その秘密の一つが曲の「拍子」にあります。

楽譜に8分の4とか、4分の1とか書いてあるやつですね。

耳障りの良いポップスや歌謡曲、気持ちの良いほとんどのロックは「8分の4」とか「4分の4」などで、おたまじゃくしが1小節に4つある感じです。

ところがこの曲は変拍子といって5拍子なんですね。

この普通とはちょっと違った感じが、不安定さとドキドキする緊迫する感じを表現しています。

5拍子のリズムにメインのテーマ曲を乗っけるという芸当を本多氏は見事に完成させています

「トムクルーズ」主演「ミッション・インポシブル」なども5拍子で作曲されていて、ハラハラドキドキがよくわかりますね!

テーマ曲の他にも躍動するシーンの「金に群がる男達」ラブバラードの「ラブテーマ」などシーンを印象づける曲が数多くあり、第11回日本アカデミーしょう最優秀音楽賞を受賞しています。

最初のテーマ曲のイメージがあって、監督の伊丹十三氏の最初のイメージは、1976年上映の俳優ロバート・デニーロが主演した「タクシードライバー」

大都会の孤独なタクシードライバーを描いた映画です。

夜のニューヨークをタクシーが淡々と流していくシーンで、なかなかエモーショナルなジャズバラードがメインテーマです。

その伊丹氏の希望通り、本多氏は曲を書いたところ、一発OKが出て、いい曲だから取っておこうということになりました。

テレビスポット用に「悪い人」「裏社会」をイメージした曲を依頼されたところ、これが今のテーマ曲です。

伊丹氏がえらい気に入り、メインテーマとなりました。

因みに最初に作ったジャズバラードは曲中、主演の「宮本信子」と「山崎努」氏のいい雰囲気のところで使われています。

本多俊之「マルサの女」サックス

本多俊之氏はジャズサックス奏者であり、大学在学中にリーダーアルバムを出すほどの腕前。

使用しているサックスは、アルトサックスで、日本の「YANAGISAWA」ヤナギサワというブランドのサックスを使っている。

サックスは大体、ベルのところに彫刻を施すのですが、本多氏特別仕様のものがあり、恐竜好きで知られる氏のサックスは恐竜彫刻が施されているらしいです。

プロサックスの方はフランスもしくはアメリカセルマーという世界的に有名なブランドのサックスを使用することが多いですが、本多氏はこの「YANAGISAWAヤナギサワ」というサックスを主に使用しています。

ヤナギサワ」は私の学生の頃はあまり人気がなかった記憶があり、一番が「Selmer セルマー」で日本国産だと「YAMAHA」が安定した音でベーシックなビギナー楽器として広まっていました。

実はヤナギサワはなんと日本における管楽器製造のパイオニアであり、明治時代(1896年)からある会社です。

サックスはベルギーが発祥で「国産の楽器なんて」という時代から、今では日本の丁寧なハンドメイドが世界的に評価され、プロミュージシャンも数多く使用しています。

価格も100万円超えるものも当たり前で他のメーカーよりも少しお高めです。

ところで「サックス」は実は楽器を発明した楽器職人の「アドルフ・サックス」の名前から来ているんです。

知ってました?

本多俊之 マルサの女 wiki

本多氏は1957年4月 東京生まれ。

音楽大学ではなく、成蹊大学経済学部を卒業。

お父様がジャズ奏者、評論家の本多俊夫氏であり、小さい頃から音楽の英才教育を受けていました。

大学時代に初のリーダーアルバムをリリース

国内外を問わず多くの著名ミュージシャンと共演し、ライブ活動などを各地で開催

作曲家としても有名で、映画音楽、ドラマ音楽、CM音楽を数多く手がけています。

主な映画音楽としては、伊丹十三監督の映画を「マルサの女」以来、「ミンボーの女」や「大病人」「あげまん」などを手がけました。

ドラマ音楽では、石田ゆり子主演の「不機嫌な果実」や松田優作主演の「家族ゲーム」など印象に残るドラマの音楽を数え切れないほど多く制作しています。

その他、ニュースステーションのテーマ曲であったり、変わったところでは、「新婚さんいらっしゃい」のテーマ曲なども手がけています。

多彩な才能をお持ちですよね!!

本多俊之 マルサの女 まとめ

・「マルサの女」は、1987年バブル期に作られた「税金を逃れたい事業家」と「国税局査察部」との戦いをシニカルにコミカルに描いた映画

・本多俊之が、映画のシーンに、これ以上ないぐらいフィットしたテーマ曲を作曲。第11回日本アカデミー最優秀音楽賞

・本多俊之氏は、サックス奏者であり、作曲者、音楽プロデューサー、編曲者でもあります。

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