山下洋輔トリオ メンバーの坂田明と演奏した名盤は?

日本の前衛ジャズシーンを切り拓いた「山下洋輔トリオ」。

その歴代メンバーや伝説的パフォーマンス、さらにはサックス奏者でありながら、ミジンコ研究家・坂田明氏との意外なつながりまで、多彩な側面を紹介します。

山下洋輔トリオ メンバーは?

山下洋輔トリオの歴代メンバー

▪️第1期(1969年~1973年)

  • 山下洋輔(ピアノ)

  • 中村誠一(テナーサックス)

  • 森山威男(ドラム)

この初期トリオは、フリー・ジャズの先駆けとして国内外で注目を集めました。特に、1970年の早稲田大学でのバリケード内演奏は伝説的なパフォーマンスとして語り継がれています。

初期の頃はかなり激しいフリージャズで、難解なステージが多かったようです。

エネルギーそのものですね!​

▪️第2期(1974年~1975年)

  • 山下洋輔(ピアノ)

  • 坂田明(アルトサックス)

  • 森山威男(ドラム)

坂田明氏の参加により、音楽性に新たな広がりが生まれ、ヨーロッパツアーなど国際的な活動も展開されました。

坂田明氏もかなり激しいフリージャズのステージです。

かなり難解でメロディなどは全くなく、激しい音階とロングトーンの連続です。

studioclockも一度見にいきましたが、あまりの迫力で呆然としました!

▪️第3期(1976年~1979年)

  • 山下洋輔(ピアノ)

  • 坂田明(アルトサックス)

  • 小山彰太(ドラム)

この時期には、モントルー・ジャズ・フェスティバルへの出演や、冷し中華愛好会の結成など、音楽活動以外でも話題を提供しました。

モントルージャズフェスティバルといえば、スイスのモントルーというところで開かれる、世界的にも有名なジャズフェスティバルです。

そこで出演できるというのは、世界的に認められた証の一つです。

▪️第4期(1980年~1983年)

  • 山下洋輔(ピアノ)

  • 林栄一(アルトサックス)

  • 小山彰太(ドラム)

トリオの最終期には、より実験的な音楽表現が追求され、1983年の解散まで精力的な活動が続けられました。

現在では固定メンバーではなく、ステージごとに変化しています。​

山下洋輔トリオ 坂田明のプロフィールは?

坂田明(さかた あきら、1945年生まれ、広島県呉市出身)

日本を代表するフリージャズ・サックス奏者であり、クラリネット奏者、ボーカリスト、作家、そしてミジンコ研究者としても知られています。

広島大学水産学部を卒業後、1969年に上京し、ジャズグループ「細胞分裂」を結成。

1972年から1979年まで山下洋輔トリオに参加し、国内外のジャズフェスティバルで活躍しました。

その後、「wha-ha-ha」「DA-DA-DA ORCHESTRA」「MITOCHONDRIA」など多彩なグループを結成し、実験的な音楽活動を展開。

2000年には、ビル・ラズウェルやピート・コージーらと共に日本の民謡を取り入れたアルバム『Fishermans.com』を発表し、話題を呼びました。

また、2003年にはミジンコの研究普及活動が評価され、日本プランクトン学会から特別表彰を受けています。

現在も「坂田明mii」や「坂田明COCODA」などのグループで精力的に活動を続けており、音楽と科学の両分野で独自の世界を築いています。

なかなかユニークな活動をされています!!​

山下洋輔トリオ 名盤はどのアルバム?

山下洋輔トリオの名盤は、多数紹介されています。

studioclockからみた名盤は次の2枚です。

「キアヅマ」というアルバムと「砂山」というアルバムです。

『キアヅマ』は、山下洋輔トリオが奏でる即興音楽の“交差点”を象徴する、芸術性とエネルギーに満ちた名盤です。

キアヅマ(Chiasma)」とは、生物学で染色体が交差する現象を指し、異なる要素が交わり新たな形を生むことを意味します。

この言葉は、異なる音楽的個性がぶつかり合いながらも融合し、新しい表現が生まれるフリージャズの精神を体現しています。

本作では、山下洋輔(ピアノ)、坂田明(サックス)、森山威男(ドラム)の三者が、各々の個性を剥き出しにしながらも緊張感のある即興演奏を展開。

タイトル曲「キアヅマ」では、3人の演奏がまさに遺伝子のように絡み合い、複雑かつ鮮烈なサウンドを作り出しています。

したがって『キアヅマ』は、単なるライブ録音ではなく、音楽的“交叉”によって生まれた創造の証であり、山下洋輔トリオの芸術的到達点を示す一枚なのです。

『砂山』は、日本の伝統的な旋律とフリージャズの革新性が交差する、山下洋輔トリオの代表的かつ挑戦的な作品です。

「砂山」とは日本の童謡で、海辺の砂の山をモチーフにした、哀愁ある旋律が特徴の曲です。

これをジャズトリオが大胆に再解釈することで、郷愁と混沌、秩序と自由が入り混じる独自の音楽世界を作り出しています。

1972年に発表されたこのアルバムでは、山下洋輔(ピアノ)、森山威男(ドラム)、中村誠一(サックス)の3人が、童謡「砂山」を基にしながらも、破壊的かつ即興的な演奏を展開。

原曲の面影を残しつつ、徹底的に解体・再構築するその演奏は、まさに日本的情緒とアヴァンギャルドが交差する瞬間です。

つまり『砂山』は、ただのアレンジにとどまらず、日本の音楽文化とジャズの実験精神が融合した、革新的で記憶に残る1枚なのです。

山下洋輔トリオ まとめ

・山下洋輔トリオは、ピアノとドラムとサックスで編成されたバンドでフリージャズバンドの草分け。

・山下洋輔トリオはピアノ、ドラムとサックスは時期によって変化。

・坂田明氏はアルトサックス奏者だが、ミジンコ研究家としても造詣が深い。

・studioclock的名盤は『キアヅマ』『砂山』。

 

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